「碁」

白川静『常用字解』
「形声。音符は其。其に期ゴ(とき)の音がある。碁は正方形の盤に、縦横十九路を画き、白・黒の石を使って争う遊戯で、烏鷺ともいう」

[考察]
白川漢字学説には形声の説明原理がなく、すべて会意的に説く特徴がある。本項では其の説明がない。286「棋」では「其は箕の形で、ほぼ四角形のものをいう」と解釈している。本項は舌足らずな字源説である。
碁は石偏だから碁石の意味かというとそうではなく、囲碁というゲームの名である。棋と同じである。『法言』(漢・揚雄の撰)に「囲碁」という用例がある。
碁の字源は「其キ(音・イメージ記号)+石(限定符号)」と解析する。其は「四角い」(囗の形を呈する)というイメージがある(277「基」を見よ)。四角い盤で行うゲームを棋で表したが、石を使うので木を石に替えて碁と書いた。碁は棋の異体字である。ただし日本では碁と棋を使い分けている。単独で(漢字一字で)使う場合は碁といい、棋といわない。