「鉱」
旧字体は「鑛」である。

白川静『常用字解』
「形声。音符は廣(広)。廣は大きな家をいう。古い字形の例が見えないが、あらがね(原鉱石)の色とする磺の字が、おそらくもとの字であろう。“あらがね”の意味に用いる」

[考察]
字体は磺→礦→鑛と変わった。「大きな家」と「あらがね」は関係がない。しかしなぜ黃が廣に変わったかの理由は説明できる。
磺は「黃(音・イメージ記号)+石(限定符号)」を合わせて、黄色い金属の混じった石を暗示させる。まだ精錬されていない原鉱石(あらがね)を古典漢語ではkuăng(呉音・漢音でクワウ)といい、磺で表記した。
黄という色は「(光が)四方に発散する」というイメージで名づけられた(568「黄」を見よ)。このイメージは「四方に広がる」というイメージにも展開する。かくて「四方に広がる」のイメージをもつ廣を用いた「廣(音・イメージ記号)+金(限定符号)」を合わせた鑛が新たに作られた。