「杉」

白川静『常用字解』
「形声。音符は彡サン。“すぎ” をいう」

[考察]
白川漢字学説には形声の説明原理がなく、会意的に説くのが特徴であるが、本項では会意的にも説明できず、字源を放棄している。
彡は髪や須(=鬚)などに含まれる彡と同じで、髪の毛の形である。その形態的特徴から「たくさんのものが入り交じる」というイメージを表すことができる。これは「細かいものが隙間を開けて並ぶ」というイメージにも展開する。「彡サン(音・イメージ記号)+木(限定符号)」を合わせたのが杉で、細く細かい葉がたくさん並んで生え出ている木を暗示させる。中国産のスギの種類であるコウヨウザン(広葉杉)をこの図形で表記する。
ちなみに彡は「隙間が開いている」というイメージがあるので、透けて見えるほど薄い衣類(下着)を衫サンという。