「准」

白川静『常用字解』
「形声。もとの字は準に作り、音符は隼。官庁用語として早くから使用され、天子の裁可(許可)することをいう」

[考察]
字源の説明を放棄している。準との意味上の関係も分からない。
准は準から分化した字である。準の俗字に凖があり、下部の十を省略して准となった。准は先秦時代(古典の時代)では準の代わりに用いられていたが、唐代あたりから公文書の専用語となった。
準の語源・字源については852「準」を見よ。
標準・基準の準は「平らにそろえる」というコアイメージがあり、書類に不備がないのを認めるという意味になり、条約などを許可するという意味に転じた。これが批准の准である。一方、準には準優勝などの用法が発生した。正式のものと同等の扱いをする(なぞらえる)という意味である。この用法が准にも引き継がれた。准将・准尉・准教授など、地位・身分に関する場合に准が用いられる。