「松」

白川静『常用字解』
「形声。音符は公。“まつ” をいう」

[考察]
白川漢字学説には形声の説明原理がなく会意的に説く特徴がある。本項では会意的に説明できず、字源を放棄している。
形声の説明原理とは言葉の深層構造に掘り下げ、コアイメージを捉え、語源的に意味を説明する方法である。
松は公にコアイメージの源泉がある。公は囲い込んだものを両側に開いてみんなに見せる情景を意匠にした図形である(526「公」を見よ)。隠しているものを開いて素通しにすると、内部はすかすかになって見える。公は「隙間が開いて見える」というイメージを表すことができる。
松は「公(音・イメージ記号)+木(限定符号)」と解析する。この図形は針葉が間を置いて生え、すけすけになって見える木を暗示させる。マツの特徴の一つを捉えた言葉であり、文字である。