「晶」

白川静『常用字解』
「象形。星の光の形。昌は二つの日(星の形)を組み合わせた形で、星の光の意味から、あきらか、さかんの意味となる。晶は星の数が三つで、星の光が昌よりも明るくなり、“あきらか、かがやく” の意味となる」

[考察]
字形から意味を引き出すのが白川漢字学説の方法である。昌は星が二つ、晶は星が三つで、昌よりも光が明るいから「あきらか」の意味になったという。
昌の字形の解剖に疑問があることは895「唱」で指摘した。昌は星が二つの形ではない。だから昌と晶を比較するのはおかしい。
昌は非常に古く『詩経』に用例があるが、晶は漢代の文献に初出。曐(星の異体字)の上の部分を独立させた字である。三つの星を描いた図形。晶は甲骨文字では「ほし」の意味で使われていたようであるが、後世ではこの意味晶は「澄み切って光る」という意味をもつtsiengを表記する。この語は星(seng)や生(sïeng)などと同源で、「澄み切っている」というコアイメージをもつ語である。
結晶や水晶は澄み切った性質・形状をもつ物質である。