「礁」

白川静『常用字解』
「形声。音符は焦。“かくれいわ” をいう」

[考察]
白川漢字学説には形声の説明原理がなく会意的に説くのが特徴であるが、本項では字源を放棄している。
礁は中世(宋代以後)に作られた字であるが、古来の造形原理に従っている。漢字の造形原理とは言葉のイメージを図形化するというものである。
礁は「焦(音・イメージ記号)+石(限定符号)」と解析する。焦は物を焼いて焦がすことである。物が焦げると黒く変色することが多い。だから焦は「黒い」というイメージを表すことができる。礁は水面に見え隠れする黒っぽい岩を暗示させる図形である。これが岩礁・暗礁の焦である。