「星」

白川静『常用字解』
「形声。音符は生。古い字形には上部を晶に作るものがある。日はこの字の場合は、太陽の形ではなく星の形で、晶は多くの星が輝く形である。それで星は“ほし” の意味となる」

[考察]
白川漢字学説は形声の説明原理がなく会意的に説くのが特徴であるが、本項では生からの説明がない。字源説としては不十分である。字源の放棄と見なす。
形声文字の説明原理とは言葉の深層構造に掘り下げ、コアイメージを捉えて、語源的に意味を説明する方法である。星は生の部分にコアイメージの源泉がある。コアイメージを捉えることが重要である。
星は曐が古字である。「生(音・イメージ記号)+晶(イメージ補助記号、また限定符号)」と解析する。生は「汚れがなく清らか」「すがすがしく澄み切る」というイメージがある(1013「生」を見よ)。晶は三つの星を描いた図形。「澄み切って光る」というイメージももつ(903「晶」を見よ)。曐はすがすがしく澄み切った光を発する「ほし」を暗示させる。後、字体が「生(音・イメージ記号)+日(限定符号)」に変わった。日は天体と関係があることを示す限定符号である。星はすがすがしく光る天体を暗示させる。