「晴」

白川静『常用字解』
「形声。音符は青。青に澄み透るの意味があって、晴は“はれる、はれ” の意味となる」

[考察]
青に「澄み透る」の意味があるだろうか。「澄み切る」というイメージはある。意味とは具体的な文脈で使われる意味である。イメージとは言葉の意味の深層をなすもので、意味以前のものである。深層のイメージが表層に現れたものが意味である。
晴は漢代以後に出現する字である。それ以前の古典時代(周代、先秦時代)では「はれ」のことを何と言ったのか。霽セイがあるが、これは雨が止んで空がはれる意味。また『説文解字』では夝が出ており、夜間に雨が上がって星が現れること、つまり夜間の「はれ」のことを言ったらしい。しかし用例はない。昼間に太陽が出ている状態の「はれ」を表す漢字は古典にはないようである。
晴は「青(音・イメージ記号)+日(限定符号)」と解析する。青は「汚れがなくすがすがしい」「澄み切って清らか」というイメージがある(1021「青」を見よ)。晴は日が照って空が澄み切った状態になることを暗示させる。これは図形的意匠である。この意匠によって空がはれるという意味をもつdzieng(呉音でジヤウ、漢音でセイ)を表記した。