「銑」

白川静『常用字解」
「形声。音符は先。説文に“金の沢ある者なり”とあり、光沢のある鉄をいう」

[考察]
形声も会意として説くのが白川漢字学説の特徴であるが、本項では先からの説明がない。
銑は「洗の略体(音・イメージ記号)+金(限定符号)」と解析する。洗は足の汚れを洗うことから、「汚れがなく美しい」というイメージを表しうる。したがって銑は光沢のある美しい金属を暗示させる。
銑鉄の銑(不純物の混じった鉄、ずく鉄の意味)は日本的展開である。