「臓」
正字(旧字体)は「臟」である。

白川静『常用字解』
「形声。音符は藏(蔵)。蔵に内に蔵かくれるものの意味があり、体の部分を示す月(肉)を加えて臟となり、“内臓、はらわた” をいう」

[考察]
1152「蔵」では「草の中に蔵れた人の意味」とある。蔵は「内部にしまう」「しまい込んで隠す」という意味はあるが、「蔵れるもの」という意味はない。内臓は「隠れるもの」であろうか。
臟は文献に比較的遅く出現する字で、もともと五臓を五蔵と書いた。臟は藏から分化した字である。
臟は「藏(音・イメージ記号)+肉(限定符号)」と解析する。藏は「しまい込む」というイメージがある(1152「蔵」を見よ)。肉は肉や身体と関係があることを示す限定符号である。したがって臟は体内で精気を貯蔵する機能をもつ器官を暗示させる。中国医学では気(宇宙だけでなく身体・生命の根源とされたもの)を貯えて、それぞれの機能をもつ器官を五臓(肝・心・脾・肺・腎)と言った。