「帯」
正字(旧字体)は「帶」である。

白川静『常用字解』
「象形。帯に巾をつけている形。巾は儀礼のときに用いる前かけの形。帯は“おび、おびる、まとう、身につける”の意味に用いる」

[考察]
字形の分析に疑問がある。帯に巾を添えた形だから象形ではなく会意であろう。帶の全体がおびの形には見えない。帶の上部(巾を除いた部分)はおびに佩玉(おびだま)をぶら下げている形である。これに布や織物・衣類と関係があることを示す限定符号である巾を添えた字が帶である。この字は佩玉をつけたおびで、男子の着用するおびを図形化したもの。
一般に「おび」を古典漢語ではtad(呉音・漢音でタイ)という。この語は移・曳・洩・泄などと同源で、「横に長く延びる」というコアイメージがある。tad(帯)はおびの形態的特徴を捉えた言葉である。