「団」
正字(旧字体)は「團」である。

白川静『常用字解』
「形声。音符は專。專は叀けい(上部を括った橐ふくろの形)の中に物を入れ、手(寸)で摶って固めてまるい形にしたもの。それをさらに円形を加えて外から包んだ形が團で、“まるい、まるくあつまる、あつまり、まるくかたまる、かたまり” の意味となる」

[考察]
專の字形の解剖に疑問がある。これについては1075「専」で述べた。
專に「袋の中のものを打って固めて丸い形にしたもの」という意味はない。では專はどう解釈すべきか。
專は「叀セン(音・イメージ記号)+寸(限定符号)」と解析する。叀は紡錘を描いた図形である。『説文解字』の一説として「紡専なり」がある。しかし実体に重点があるのではなく形態と機能に重点がある。紡錘は下に陶製の丸い煉瓦をぶら下げ、それを回転させて紡いだ糸を巻き取るものである。形態的には「丸く回る」というイメージ、機能的には「一つにまとまる」というイメージがある。寸は手の動作に限定する符号である。專は紡錘を回して糸を作る情景を設定した図形だが、そんな意味を表すのではなく、この図形的意匠によって「丸く回る」「いくつかのものを一つにまとめる」というイメージを暗示させるのである。
このように解釈すると團の成り立ちも明らかだろう。團は「專(音・イメージ記号)+囗(イメージ補助記号/限定符号)」と解析する。專は上記の通り「丸く回る」「一つにまとまる」というイメージがある。囗は周囲を丸く取り巻いて囲むことを示す符号。したがって團は丸く取り巻いて一つにまとまる状況を暗示させる図形である。この図形的意匠によって「集まって丸くなったまとまり」を意味する古典漢語duan(呉音でダン、漢音でタン)を表記する。