「筒」

白川静『常用字解』
「形声。音符は同。同は筒形の酒器。竹はその節の部分から切断すれば、容易に筒形の器がえられる。“つつ、竹のつつ” をいう」

[考察]
「同」の項では、凡(盤の形)と口(祝詞を入れる器)を合わせて、「筒形の酒杯の名であると思われる」とある。なぜ盤と祝詞の器から、筒形の酒杯の意味が出るのか、理解不能。
同については後述するが、簡単に述べると、「ᅤ(筒形)+口(穴)」を合わせて、筒形の丸い穴を突き通す状況を示した象徴的符号である。何かの実体を表すのではなく、「筒形」や「突き通す」というイメージを表す記号である。したがって筒は、抽象的なイメージが具体化された意味、つまり「竹のつつ」を示すための図形といえる。