2019年01月08日 白川漢字学説の検証 五十音順索引(1) ア行 亜 哀 愛 悪 握 圧 安 案 暗 以 衣 位 囲 医 依 委 威 胃 為 唯 偉 唯 尉 異 移 意 違 維 慰 遺 維 域 育 一 壱 逸 引 印 因 姻 員 院 陰 飲 隠 韻 宇 羽 芋 雨 運 雲 永 泳 英 映 栄 営 詠 影 鋭 衛 易 疫 益 液 駅 悦 越 謁 閲 円 炎 延 沿 垣 援 宴 園 煙 猿 鉛 遠 塩 演 縁 汚 王 凹 央 応 往 押 欧 桜 翁 奥 横 屋 億 憶 乙 音 恩 温 穏 カテゴリなしの他の記事 < 前の記事 コメント コメント一覧 (19) 1. 鯉淵 剛 2019年01月09日 18:10 漢字の学習・教授の際に大いに活用させていただいています。 中国語を大学で学んだときに、辞書に載っていた詩経からの引用とか四文字熟語でしか今は使われないような古い古典の漢字の語源もかなりはっきり分かるようになりました。 特に重要だが学校では全く教えられていないことは、六書のうち、形声というのは、旁は音だけを表すのではなくて、音と意味の暗示を同時にできるよう、古人が知恵を絞ったということ(でなければ、紙の辞書があるわけでもない時代、漢字を覚えるのに甚だ不便ですね)。 漢字はその表意文字としての正確が強すぎる為か、音に注目した言語学として当然の語源探求・分類が、日本はおろか中国でも藤堂保明氏が出るまではあまり行われてこなかったことや、柘榴や葡萄、檸檬など、単に外来語の音訳とだけしか紹介ものも、ここでの解説を読めば、現代中国語のようにただ音をなぞったのではなくて、なるほど植物の様子をとらえたものでもあったのだとわかると、古代中国人からのメッセージが聞こえるようで感慨深いです。 2. KANO kiko 2019年01月09日 19:21 ご意見くださいまして感謝いたします。私の考えを正確に理解していただいた上、学習・教授に活用されていると聞きまして、光栄に思いました。 宣伝になりますが、昨年末『漢字源 改訂第六版』(藤堂明保ほか編、学研)が刊行されました。本辞典では常用漢字・人名漢字の字源・語源の解説をいっそう充実させました。参考にしていただければ幸いです。 3. 学習者 2019年03月10日 08:52 曰と言う字の解説が、何処に、在るか教えて下さい。 4. Kano kiko 2019年03月10日 09:34 曰(エツ)は『常用字解』に収録されていますが、常用漢字ではありませんので、あえて解説を省きました。曰を含む替・曹・喝・潜などには言及されているかもしてません。 5. 学習者 2019年03月17日 14:52 ありがとうございます。 ただ、字源は載っていないようでした。 あと、『人名字解』の漢字の検証もお願い致します。 6. Kano kiko 2019年03月17日 15:28 ご助言ありがとうございます。『人名字解』についても検証したいと思います。 7. 参学者 2019年07月08日 18:11 是非 本にしてほしいです! 仕事柄、漢字と接することが多くあり、「学研漢和辞典」 「大字典」 「常用字解」 「漢字ときあかし字典」をフル活用しています。(あとは私の専門とする職業の辞書を数冊ほど。) 若い頃、漢字にはほとんど興味がなかったのですが、ここ五~六年、仕事柄、漢字に触れる機会が増え、興味をもつようになりました。 世間では白川先生の説が主流?で、私も大いに参考にさせて頂いておりますが、しかし、その解説に時々違和感を感じていました。 何か納得できないというかすんなり飲み込めないと感じることがありました。漢字に対する智識 教養がない私にはその違和感がなんなのか解らず、読むがままに「まっ、そういうことなんだろうな」と思っていました。 このサイトに出会い、大いに感銘をうけております。 我が儘を言うならば、「甲骨文字」 「金文」 「篆書」もつけて、是非本にして欲しいです! 今後ともこのサイトを通じて、漢字への理解を深めて参ります。 本当にありがとうございます。 8. 鍼灸師 2019年07月17日 00:45 「秉」という字の解説が 以前は載っていたほうで検索画面には出てくるのですが、現在のページを探しても、どうしても見つけられません。何卒ご教授頂けるとありがたいです。 PS 鍼灸の業界でも、漢字の間違った解釈が多く 古代人がツボの名前に込めた意味を汲み取れていません。こちらのブログで漢字の意味とツボの意味を照らし合わせると面白い事が沢山発見出来て本当に感謝しています。 是非本にして頂きたいです。 9. 学習者 2019年09月03日 22:53 0903で、「曐(星の異体字)」とあり、1024で、「星は曐が古字である」とありますが、星と曐は由来を異とする別字ですか? 10. 中学生 2020年03月14日 21:29 コメント失礼します。中学生です。今まで白川漢字で学んでいたのですが、こちらのホームページを見つけて、形と音声の順番が全く逆である事を気づかせてもらいました。ありがとうございます。ところで、ホームページが更新されていないようですが、もうブログは終わってしまったのでしょうか? 11. 中垣 2021年06月11日 03:41 このブログに対して、かなり容赦のない批判を行なっています。興味のある方はご覧ください。 http://yumemivision.blog.jp/ 12. 日々旅にして 2022年02月25日 22:06 小学生の娘に漢字を教えるために、千字文をベースにしたプリントを作りました。 そのプリントで、漢字の成り立ちを伝えるために、加納喜光先生の「漢字の成立ち辞典」と漢字源を使わせていただいています。 私自身は50歳すぎのオヤジですが、もっと早く加納先生の本と出合えることができれば、、、と心の底から感じています。 どうして中学生や高校生のころに、漢字の成立ち辞典や、漢字源を手にしていなかったのか。 ちょっと悔しいぐらいです。 このブログも、とても勉強になりました。 ありがとうございました。 13. 通りすがり 2022年04月20日 15:42 →学習者 日(ひ)ではなく、曰(いわく)のほうでしょうか。 曰は常用漢字ではないので「常用漢字論」というタイトルのここには出てこないのではないでしょうか。ちなみに曰の音読みはエツです。 よけいなお世話でしょうが、「どこに」や「ある」はかな書きするのが現代の普通の書式です。そこに打ってある読点も不要です。 14. 西尾 康治 2022年06月13日 12:47 本当に素晴らしいサイトだと思います。 あまりの感動、衝撃に賞賛せずにはいられぬ気持ちになり、コメントいたしました。 今まで漢字の成り立ちを調べても、白川説ばかりで全く釈然とせず、本当の理解というものに到達できず苦しんでおりました。 それがこのサイトで字を一つ調べるだけでも、「そういうことだったのか!!」という衝撃と理解と感動の嵐が自分の中に生じます。 このサイトに出会えたことは私にとっての最大級の幸運です。 日本人にとってこのような真の理解をもたらしうる価値あるサイトを作っていただいて本当にありがとうございます。 本当に感謝してもしきれません。 私の語彙力では、まだ私の賞賛の気持ちの100分の1も表現できていないことにはがゆさを感じます。 あなたは偉大な仕事をしました。 この莫大な価値あるサイトがもっと多くの人に知られ、その価値が理解されることを願います。 仮に文盲がはびこる今の時代では理解されなくとも、遠い未来のより理性的な時代になれば必ず評価されると思います。 本当にありがとうございました!! 15. Kano kiko 2022年06月13日 16:52 ご意見ありがとうございます。 最新刊の拙著『漢字 イメージ・ネットワーク辞典』(東京堂出版、2022年6月)を参考にしていただければ幸いです。 本書で全く新しい漢字の見方を打ち出しています。一つは意味の構造をレトリック論(認知意味論)によって跡づけたこと。二つ目はほぼすべての漢字にイメージ図を付したこと。三つ目は100余りの「イメージのネットワーク」を表示したこと。四つ目はこれまでの漢字の分析法(いわゆる六書)ではなく、レトリックに基づいた造形法を立ち上げたこと。以上です。 16. 「嗜」の字について 2022年07月10日 16:08 「嗜」の字源を調べている時にこのブログの「老」の字解記事に辿り着きました。 「老」に「固まって動かない」意味があるとすると, 「嗜」は,「(ある物事を)ずっと継続して行う」+「口に関すること(?)」という解釈ができますかね? 17. Kano kiko 2022年07月10日 18:17 私の解釈を述べます。 嗜は「老」が根幹の記号ではありません。旨→耆→嗜と展開します。したがって「旨」が基幹記号です。耆は「旨(音・イメージ記号)+耂(=老。限定符号)」と分析します。旨は「深く味わう」→「うまい」という意味です。だから「旨」は「空間的に深く達する」というイメージを表します。詣(いたる)や稽(深く突き詰める)はこのイメージ。一方、「旨」は時間的なイメージにも転じ、「長い時を経ている」というイメージが生まれます。「耆」は長い経験を経ている老人(ベテラン)という意味。旨と耆はこれら両方のイメージを表す記号となりえます(空間と時間は相互転化可能なイメージだからです)。かくて「嗜」は深く(長く)味わう→「たしなむ」という意味になります。 18. Re:「嗜」の字について 2022年07月17日 18:53 ありがとうございます! 19. 名前 2023年06月15日 11:52 白川って自分で埋めた土器を自分で発掘して 騒いでいたようなあの人を彷彿とさせますよね コメントフォーム 名前 コメント 評価する リセット リセット 顔 星 投稿する 情報を記憶
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コメント一覧 (19)
中国語を大学で学んだときに、辞書に載っていた詩経からの引用とか四文字熟語でしか今は使われないような古い古典の漢字の語源もかなりはっきり分かるようになりました。
特に重要だが学校では全く教えられていないことは、六書のうち、形声というのは、旁は音だけを表すのではなくて、音と意味の暗示を同時にできるよう、古人が知恵を絞ったということ(でなければ、紙の辞書があるわけでもない時代、漢字を覚えるのに甚だ不便ですね)。
漢字はその表意文字としての正確が強すぎる為か、音に注目した言語学として当然の語源探求・分類が、日本はおろか中国でも藤堂保明氏が出るまではあまり行われてこなかったことや、柘榴や葡萄、檸檬など、単に外来語の音訳とだけしか紹介ものも、ここでの解説を読めば、現代中国語のようにただ音をなぞったのではなくて、なるほど植物の様子をとらえたものでもあったのだとわかると、古代中国人からのメッセージが聞こえるようで感慨深いです。
宣伝になりますが、昨年末『漢字源 改訂第六版』(藤堂明保ほか編、学研)が刊行されました。本辞典では常用漢字・人名漢字の字源・語源の解説をいっそう充実させました。参考にしていただければ幸いです。
ただ、字源は載っていないようでした。
あと、『人名字解』の漢字の検証もお願い致します。
仕事柄、漢字と接することが多くあり、「学研漢和辞典」 「大字典」 「常用字解」 「漢字ときあかし字典」をフル活用しています。(あとは私の専門とする職業の辞書を数冊ほど。)
若い頃、漢字にはほとんど興味がなかったのですが、ここ五~六年、仕事柄、漢字に触れる機会が増え、興味をもつようになりました。
世間では白川先生の説が主流?で、私も大いに参考にさせて頂いておりますが、しかし、その解説に時々違和感を感じていました。
何か納得できないというかすんなり飲み込めないと感じることがありました。漢字に対する智識 教養がない私にはその違和感がなんなのか解らず、読むがままに「まっ、そういうことなんだろうな」と思っていました。
このサイトに出会い、大いに感銘をうけております。
我が儘を言うならば、「甲骨文字」 「金文」 「篆書」もつけて、是非本にして欲しいです!
今後ともこのサイトを通じて、漢字への理解を深めて参ります。
本当にありがとうございます。
以前は載っていたほうで検索画面には出てくるのですが、現在のページを探しても、どうしても見つけられません。何卒ご教授頂けるとありがたいです。
PS
鍼灸の業界でも、漢字の間違った解釈が多く
古代人がツボの名前に込めた意味を汲み取れていません。こちらのブログで漢字の意味とツボの意味を照らし合わせると面白い事が沢山発見出来て本当に感謝しています。
是非本にして頂きたいです。
http://yumemivision.blog.jp/
そのプリントで、漢字の成り立ちを伝えるために、加納喜光先生の「漢字の成立ち辞典」と漢字源を使わせていただいています。
私自身は50歳すぎのオヤジですが、もっと早く加納先生の本と出合えることができれば、、、と心の底から感じています。
どうして中学生や高校生のころに、漢字の成立ち辞典や、漢字源を手にしていなかったのか。
ちょっと悔しいぐらいです。
このブログも、とても勉強になりました。
ありがとうございました。
日(ひ)ではなく、曰(いわく)のほうでしょうか。
曰は常用漢字ではないので「常用漢字論」というタイトルのここには出てこないのではないでしょうか。ちなみに曰の音読みはエツです。
よけいなお世話でしょうが、「どこに」や「ある」はかな書きするのが現代の普通の書式です。そこに打ってある読点も不要です。
あまりの感動、衝撃に賞賛せずにはいられぬ気持ちになり、コメントいたしました。
今まで漢字の成り立ちを調べても、白川説ばかりで全く釈然とせず、本当の理解というものに到達できず苦しんでおりました。
それがこのサイトで字を一つ調べるだけでも、「そういうことだったのか!!」という衝撃と理解と感動の嵐が自分の中に生じます。
このサイトに出会えたことは私にとっての最大級の幸運です。
日本人にとってこのような真の理解をもたらしうる価値あるサイトを作っていただいて本当にありがとうございます。
本当に感謝してもしきれません。
私の語彙力では、まだ私の賞賛の気持ちの100分の1も表現できていないことにはがゆさを感じます。
あなたは偉大な仕事をしました。
この莫大な価値あるサイトがもっと多くの人に知られ、その価値が理解されることを願います。
仮に文盲がはびこる今の時代では理解されなくとも、遠い未来のより理性的な時代になれば必ず評価されると思います。
本当にありがとうございました!!
最新刊の拙著『漢字 イメージ・ネットワーク辞典』(東京堂出版、2022年6月)を参考にしていただければ幸いです。
本書で全く新しい漢字の見方を打ち出しています。一つは意味の構造をレトリック論(認知意味論)によって跡づけたこと。二つ目はほぼすべての漢字にイメージ図を付したこと。三つ目は100余りの「イメージのネットワーク」を表示したこと。四つ目はこれまでの漢字の分析法(いわゆる六書)ではなく、レトリックに基づいた造形法を立ち上げたこと。以上です。
「老」に「固まって動かない」意味があるとすると,
「嗜」は,「(ある物事を)ずっと継続して行う」+「口に関すること(?)」という解釈ができますかね?
嗜は「老」が根幹の記号ではありません。旨→耆→嗜と展開します。したがって「旨」が基幹記号です。耆は「旨(音・イメージ記号)+耂(=老。限定符号)」と分析します。旨は「深く味わう」→「うまい」という意味です。だから「旨」は「空間的に深く達する」というイメージを表します。詣(いたる)や稽(深く突き詰める)はこのイメージ。一方、「旨」は時間的なイメージにも転じ、「長い時を経ている」というイメージが生まれます。「耆」は長い経験を経ている老人(ベテラン)という意味。旨と耆はこれら両方のイメージを表す記号となりえます(空間と時間は相互転化可能なイメージだからです)。かくて「嗜」は深く(長く)味わう→「たしなむ」という意味になります。
騒いでいたようなあの人を彷彿とさせますよね