「刊」

白川静『常用字解』
「形声。音符は干。干にはおかすという意味があり、けずり除くことを刊という。木を“けずる” の意味に使うことが多い」

[考察]
204「干」では「たて」「ふせぐ」の意味とし、「おかす」の意味は合理的な説明がない。ここでは「おかす」から「けずり除く」の意味になったという。これも合理性に欠ける。
干は防御と攻撃を兼ねる武器から発想され、敵に対してむりやり突き進むというイメージがある。これが「おかす」の意味になるが、一方では突き入れるというイメージにも転化する。このイメージが具体的な意味となって実現されるのが刊である。「干(音・イメージ記号)+刀(限定符号)」を合わせて、木などに刀を強引に突き入れて切る情景を暗示させる。この意匠によって、木などを切る意味の古典漢語k'anを表記する。
意味は木などを切る→削る(特に間違った文字を削る)→文字を版木に彫り込む→本を出版する、と展開する。