「机」

白川静『常用字解』
「形声。音符は几。几は机のもとの字で、象形の字。両端に脚のある台の形で、もとは腰掛けであった。また“ひじかけ” をいう。また読み書きするときの“つくえ”をいう」

[考察]
『詩経』大雅・行葦に「或いは之に筵を肆(つら)ね、或いは之に几を授けん」(彼のためにむしろを並べたり、彼のためにつくえを与えたりしよう)という句がある。仮に「つくえ」と訳したが事務や学習の「つくえ」の意味ではない。休む際に体を安定させるための道具の一種である。肘を掛ける用途がある。「几」はその象形文字である。
意味が拡大されて、物を載せるための道具の意味にもなる。これを几と区別して机と書く。しかし机は几の意味も兼ねるようになった。
ということで肘掛けが几、物を載せる道具が机であるが、机は両方の意味がある。『荘子』秋水に「公子牟、机に隠(よ)りて大息す(公子牟は肘掛けにもたれてため息をついた)という用例がある。
几は丈の低い比較的小さな道具であるので、「小さい」というコアイメージがあり、肌・飢などの基幹記号となる。
なお読み書きをする「つくえ」の意味は机になかった。 脚のついたテーブルは案という。学習机という意味は日本的展開である。