「汽」

白川静『常用字解』
「形声。音符は气。气は雲の流れる形で、雲気をいう。それは多くの水分を含むものであるから、汽は水が気化する状態をいい、“ゆげ”の意味となる」

[考察]
气は雲気の形で、雲は水分を含むから、水が気化するという意味を導く。雲の気とは何か。結局気とは何かが分からない。
汽は漢代の字書に出ているが、「水が涸れる」という意味としている。実用された形跡はない。宋代になって初めて「水気」という意味で字書に現れる。これも用例がないのではっきりしない。水蒸気の意味で使われるようになったのは、近代になって技術が発展して、蒸気機関が登場してからであろうと推測される。気に湯気・息・蒸気を含めたガス状の物質という意味があり、このうちの蒸気の意味を承けて、水が蒸発してガス状になった水蒸気を表すために、「气(音・イメージ記号)+水(限定符号)」を合わせた汽が新たに創作されたと考えられる。あるいは昔の汽に新たな意味を付与したとも言える。