「旗」

白川静『常用字解』
「形声。音符は其。㫃は吹き流しをつけた旗竿。其は箕(四角形のちりとり)の形で、方形のものの意味がある。旗はほぼ方形 の軍旗、“はた”であった」

[考察]
「はた」は用途によって常、物、旌、旄、旆、幡などいろいろの種類があるが、旗が特に軍旗ということはなく、「はた」の総称である。「はた」はたいてい布などを長方形や正方形に切ったものが多いので、「四角い」のイメージをもつ其を利用し(277「基」を見よ)、「其(音・イメージ記号)+㫃(限定符号)」を合わせた旗が作られた。
㫃は旗の吹き流しを描いた図形で、意味領域が「はた」と関係があることを示す限定符号に用られる。漢和辞典では方の部首に入っているが、方角の方とは無関係である。また「方+右側」に分析する人がいるが、これでは字体の観念が崩れる。「其+㫃(限定符号)」と分析して字体の観念を確立する必要がある。