「扱」

白川静『常用字解』
「形声。音符は及。及は人の後ろから手を伸ばして前の人を捕らえようとする形で、およぶという意味となる。手が届いて物に達することを扱という。手に取る、はさんで取るなど、手の働きをいう字である」

[考察]
ほぼ妥当な字源説である。言葉という視点から解釈すると次のようになる。及は「追いついて届く」というイメージがある。「及(音・イメージ記号)+手(限定符号)」を合わせて、手が地面に届く状況を暗示させる図形。
扱を言葉と対応させると次の意味になる。
①k'iəp(呉音ではコフ、漢音ではキフ)  地面に手が届く意味。
②hiəp(呉音ではコフ、漢音ではキフ) 取り込む(収める)の意味。
③ts'ăp(呉音ではセフ、漢音ではサフ) 間に物をはさむ(さしはさむ)の意味。

扱を「あつかう」の意味に用いるのは日本的展開である。『大言海』には「手及の合字。手の及ぶ意」とあるから、和製漢字で、たまたま本来の漢字である扱と同形になったとも考えられる。