「暁」
正字(旧字体)は「曉」である。

白川静『常用字解』
「形声。音符は堯(尭)。尭は土器を焼くときに、竈の棚の上に土器を積み重ねる形で、高いという意味に用いる。暁は日が高く昇り始める“あかつき” をいう」

[考察]
「あかつき」を最初の意味としているが、先秦時代の古典では「明るい」の意味で使われ、「あかつき」の意味は六朝時代以後である。
 原文:冥冥之中獨見曉焉。
 訓読:冥冥の中、独り暁を見る。
 翻訳:暗さの中に彼だけが明るさを見出す――『荘子』天地
このように『荘子』で明るい・明るさの意味で使われている。明るい→事情に明るくなる(はっきりと分かる、さとる)→明け方(あかつき)と意味が展開する。
曉は「堯(音・イメージ記号)+日(限定符号)」と解析する。堯は「垚ギョウ(音・イメージ記号)+兀(人体と関わる限定符号)」と解析する。垚は土を三つ重ねて「高く上がる」というイメージを示す記号。堯は背の高い人を暗示させる。至って気高いという意味から、古代の聖人の名に用いられた。堯も「高い」「高く上がる」というイメージを表すことができるので、曉は日が高く上がって空が明るくなる状況を暗示させる。