「魅」
白川静『常用字解』
「形声。音符は未。もとの字は鬽に作り、鬼と彡とを組み合わせた形。彡は深い毛の形で、長い毛の怪物を鬽といい、“もののけ、ばけもの、すだま”の意味に用いる」
[考察]
肝心の魅の解字がない。解釈がつかないから説明がないのであろう。
白川漢字学説では形声の説明原理がなく会意的に説くのが特徴である。未は茂った木の枝とするから、これから会意的に魅を説明できない。だから魅の字源を放棄している。
魅は古典に次の用例がある。
原文:齊王問曰、畫孰最難者。曰、犬馬最難。孰最易者。對曰、鬼魅最易。
訓読:斉王問ひて曰く、画は孰(いづれ)か最も難き者ぞ。曰く、犬馬最も難し。孰か最も易き者ぞ。対へて曰く、鬼魅最も易し。
翻訳:斉王が[画師に]問うた。「絵画は何が最も難しいか」「犬や馬が最も難しいです」「何が最もやさしいか」「お化けが最もやさしいです」――『韓非子』外儲説左上
魅は自然界の化け物の意味で使われている。これを古典漢語ではmiuĕr(呉音でミ、漢音でビ)という。これを代替する視覚記号しとして魅が考案された。
魅は「未(音・イメージ記号)+鬼(限定符号)」と解析する。未は「はっきり見えない」というイメージを示す記号である(1744「未」を見よ)。鬼は亡霊や化け物と関係があることを示す限定符号。したがって魅ははっきりと姿を見せない(正体が分からない)化け物を暗示させる。この意匠によって上記の意味をもつmiuĕrを表記した。
正体の分からない化け物の意味から、得体の知れない力で人を迷わす意味を派生する。これは魅力・魅惑の魅である。
白川静『常用字解』
「形声。音符は未。もとの字は鬽に作り、鬼と彡とを組み合わせた形。彡は深い毛の形で、長い毛の怪物を鬽といい、“もののけ、ばけもの、すだま”の意味に用いる」
[考察]
肝心の魅の解字がない。解釈がつかないから説明がないのであろう。
白川漢字学説では形声の説明原理がなく会意的に説くのが特徴である。未は茂った木の枝とするから、これから会意的に魅を説明できない。だから魅の字源を放棄している。
魅は古典に次の用例がある。
原文:齊王問曰、畫孰最難者。曰、犬馬最難。孰最易者。對曰、鬼魅最易。
訓読:斉王問ひて曰く、画は孰(いづれ)か最も難き者ぞ。曰く、犬馬最も難し。孰か最も易き者ぞ。対へて曰く、鬼魅最も易し。
翻訳:斉王が[画師に]問うた。「絵画は何が最も難しいか」「犬や馬が最も難しいです」「何が最もやさしいか」「お化けが最もやさしいです」――『韓非子』外儲説左上
魅は自然界の化け物の意味で使われている。これを古典漢語ではmiuĕr(呉音でミ、漢音でビ)という。これを代替する視覚記号しとして魅が考案された。
魅は「未(音・イメージ記号)+鬼(限定符号)」と解析する。未は「はっきり見えない」というイメージを示す記号である(1744「未」を見よ)。鬼は亡霊や化け物と関係があることを示す限定符号。したがって魅ははっきりと姿を見せない(正体が分からない)化け物を暗示させる。この意匠によって上記の意味をもつmiuĕrを表記した。
正体の分からない化け物の意味から、得体の知れない力で人を迷わす意味を派生する。これは魅力・魅惑の魅である。
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